黄色の「き」という言葉は何に由来するのかはよくわかっていないようですが、 古代の五行説では正色のひとつに数えられ、三原色の一つでもある基本的な色です。 日本では古くからこの色を下にあげた支子(くちなし)や刈安、黄蘗などの植物を使って染めてきました。 江戸時代には、庶民のあいだにこの色が流行し、多くの色名が作られました。
山吹色(やまぶきいろ)C=0,M=40,Y=96,B=0 #F3AA05 平安の昔から、黄色を表現する代表的な色名です。旧暦においては、春は梅の花で始まり、山吹の花で終えたといいます。 実際、京都では4月の終わりから5月の初めにかけて咲きます。 京都では洛西の古いお社、松尾大社が、山吹の名所として有名です。

今もかも咲き匂ふらむ橘の小島の崎の山吹の花(古今和歌集 春下)

鬱金色(うこんいろ)C=0,M=35,Y=100,B=0 #F4B500 ウコンは東南アジア原産の生姜科の植物です。その根から鮮やかな黄色の染料が取れます。 ターメリックといえば、おわかりになるかもしれませんが、今でもカレーの色づけに用いられています。 他にも、たくあんの色づけにも用いられてきました。
支子色(くちなしいろ)C=0,M=30,Y=79,B=0 #F3D09D 暖かみのある黄色ですが、本来は支子の実で染めたことからこの名が付きました。 古くから染料や薬料として用いられてきた支子の実は今でも、 きんとんを作るときにさつまいもの色づけに使われたりします。梔子とも書きます。
黄蘗色(きはだいろ)C=15,M=20,Y=92,B=0 #DEC325 黄蘗(キハダ)というのは、山に自生するミカン科の木のことです。 その樹皮の内側の部分の煎汁と灰汁を用いると鮮やかな黄色に染まることから、 この名が色名として使われるようになりました。黄色の染料として、奈良時代から知られており、 紙を黄色に染めるのに使われていたといいます。 防虫効果もあって写経用の染紙としてよく用いられました。
刈安色(かりやすいろ)C=18,M=10,Y=95,B=0 #DBD016 刈安とは山野に自生するススキに似た植物のことです。 刈りとるのが容易だったのでこの名がついたといいます。その刈安を使って染められたのがこの色です。 ススキの類は古くから黄色染めに用いられてきましたが、なかでも刈安は愛用されました。 また、赤味を含まないので、藍と混ぜることで鮮やかな緑を染めるのにも利用されました。 今日有名な八丈島の黄八丈の織物には八丈刈安が使われています。
黄土色(おうどいろ)C=25,M=51,Y=87,B=0 #BF8836 この色はもともとは黄土(鉄分を含んだ赤い土)より精製された顔料のことで主に日本画に用いられてきましたが、 染色にも利用されることがあったようです。黄褐色といえばよくわかるかもしれません。
玉子色(たまごいろ)C=0,M=30,Y=57,B=0 #FBC179 鶏の卵の黄身の色に似た温かみのある明るい目の黄色です。 生の黄身の色というよりは、ゆでた黄身の色といったほうがいいかもしれません。 この色の染色は江戸時代の前期より行われていたようで、当時はけっこうはやったようです。
鳥の子色(とりのこいろ)C=0,M=7,Y=30,B=0 #FFE9C8 鶏の卵の殻の色のような、少し灰色がかった淡い黄色です。 鳥の子といえば、ふつうは雛のことになるのでしょうが、鳥の子といって卵を示すちょっと文学的な表現です。 玉子色という伝統色もありますが、こちらは卵の黄身の色をあらわします。