白と黒との中間的な色ですが、ひとことで灰色と言いくるめてしまうには範囲が広すぎます。 平安時代には、墨色、墨染、また鈍(にび)色というような表現をしたようです。 江戸時代になると鼠色という表現もよく用いられるようになり、茶色とともにかなり流行しました。 灰色というと、あまりいい印象がありませんが、結構バリエーションがあるので、 キモノの色として改めて見直してみる価値は案外あるのではないでしょうか。
銀鼠(ぎんねず)C=0,M=0,Y=0,B=55 #838383 錫色(すずいろ)とも呼ばれたようですが、染色には江戸時代の中期頃より用いられました。
灰汁色(あくいろ)C=0,M=9,Y=29,B=50 #91846C 黄味を含んだ灰色です。灰を水に浸してしばらく置いておくと灰は下に沈殿して、 すこし濁った上澄みができますが、それに似た色です。
深川鼠(ふかがわねず)C=30,M=8,Y=30,B=30 #919C8B 少し緑味がかった鼠色です。川にちなんだ鼠色はこれ以外にも鴨川鼠、淀鼠などがあります。
青鈍(あおにび)C=42,M=28,Y=55,B=64 #474736 青みの暗い灰色です。平安時代よりこの色の染色は行われていました。 平安文学にもたびたび登場しますが、当時は、凶色として尼の着る服色とされました。
梅鼠(うめねず)C=18,M=38,Y=26,B=50 #765E5C 赤味がかった鼠色です。梅は色名としては赤味の形容として用いられます。
利休鼠(りきゅうねず)C=32,M=10,Y=27,B=65 #4E554F 緑味のある鼠色をいいますが、利休の名をつけたのは言うまでもなく、 織田信長や豊臣秀吉の茶頭であった桃山時代の茶人、千利休にちなむものですが、 利休が好んだという意味ではなく、抹茶の緑色からの連想で後世の人が名づけたものです。 他にも利休茶などがあります。江戸時代に愛好されたようですが、明治に入ってからも流行色となっています。
藍鼠(あいねず)C=60,M=10,Y=15,B=64 #334D57 その名の通り、藍色を帯びたねずみ色のことです。藍味鼠とか藍生(あいおい)鼠とかもいったようです。 藍生とは縁起を担いで相生に掛けた言葉です。
葡萄鼠(ぶどうねず)C=30,M=48,Y=23,B=65 #4D3B40 江戸時代の中期以降に作られた色名ですが、古代の蒲萄染(えびぞめ)を鼠色かからせた色で、 渋めの赤紫になります。ちなみに、今日では葡萄とかいて「ぶどう」と読みますが、 古代は「えび」と呼ばれましたので、「えびねず」ともいいます。
鳩羽色(はとばいろ)C=40,M=50,Y=0,B=60 #4B3E53 紫ぎみの灰色です。明治以降に、キモノの色として流行しました。 鳩の背羽のような色という意味です。